State of the Map Japan 2022 in Kakogawa 参加レポート

Posted by naoki, jishiha on December 05, 2022 · 1 min read

はじめに

この記事は、Smart Maps Advent Calendar 2022 の6日目にポストする記事として書いています。(12/10 追記: その後、OpenStreetMap Advent Calendar 2022への掲載のお誘いを頂いたので、OSM アドベントカレンダーの11日目にもポストさせて頂きました)

先週 12/3 (土)に、OpenStreetMap のイベント State of the Map Japan 2022 in Kakogawa に参加してきました。

今回、Geolonia はシルバースポンサーとして協賛し、Geolonia からは 宮内、石原、大橋の3名が参加しました。

会場は、加古川商工会議所で、最終的に現地参加は 約100名とのことでした。

State of the Map Japan について

  • OpenStreetMapのイベント
  • OSM のマッパー、技術者、利用する企業・団体などが集まる
  • 各自の OSM の活用方法や、技術の紹介などが行われる

コロナのため、前回はオンライン開催でしたが、今年はオフライン + オンラインのハイブリッド形式で開催されました。

公式サイト
https://stateofthemap.jp/2022/

以下、Geoloniaのメンバーが参加したセッションを紹介いたします。2トラック形式だったので、すべてのセッションを紹介できていないことをご容赦ください。

基調講演

加古川市スマートシティ推進の取り組みについて
多田 功 | 加古川市企画部政策企画課スマートシティ推進担当課長

加古川市におけるスマートシティ推進の取り組みについての紹介。タウンミーティングを重ね市民の同意を得ながら、見守りカメラを設置してきた。刑法犯罪認知件数(H29.1 - R4.4)は、過去突出していたのが、今では半減している。見守りカメラの照射範囲を3D化すると死角がわかるので、リニューアルのときに役立てることができる。

OpenStreetMap x LocationMind

OpenStreetMap x LocationMind(仮)
金杉 洋 | LocationMind株式会社

スリランカでの事例、携帯電話基地局からのデータとOSMのデータとを利用して人流を分析。日本では、カーナビの道路データとOSMの道路データとを比較したとき、都市部よりも地方でOSMのほうがデータが充実しているケースがある。位置情報はGPSの電波をごまかすことで偽装が可能。衛星の信号に電子署名をつけることでこれを防ぐ技術を研究している。

Mapboxでの日本地図対応

Mapboxでの日本地図対応
矢澤 良紀 | Mapbox Japan G.K.

Mapboxでの日本地図対応の事例の数々が紹介されました。タイルひとつを500KB以下におさえるのが目標だったが、ゼンリンのデータのデータ量が多いので、チューニングが必要だった。国境線や地名の扱いが国ごとに異なるため、設定としてそれぞれの国ごとに登録する機能を追加したり、線路の破線への対応が必要だったりと数々の修正を重ねた結果、Yahoo Japanに採用され、Mapboxの名が広く知られるようになった。

iPhoneでマッピンをメモれるApp『マッパーメモ號』

iPhoneでマッピンをメモれるApp『マッパーメモ號』
佐合 純 | iC株式会社

FileMaker Go上で動くマッパーメモアプリを開発。無料、iPhone上で動作する。

学部1年生から見た初心者のための Tasking Manager の使い方

学部1年生から見た初心者のための Tasking Manager の使い方
古橋研究室1年生チーム | 青山学院大学 フレッシャーズセミナー 古橋研究室

Tasking Managerを使ったマッピング作業を動画マニュアルで紹介。近日YouTubeに公開予定。

OpenAerialMap v2 はどうなるか?

OpenAerialMap v2 はどうなるか?
古橋 大地 | 青山学院大学 地球社会共生学部

ドローンで撮影した画像を地図上にマッピング、一回のフライトで静止画数百〜数千枚を撮影、それをもとにオルソモザイク画像を作成する。Pix4Dreactを使うと、昔は数時間かかるような処理が9分くらいで終わる。クラスタリング、タイムライン検索機能、メタデータの入力の簡易化などが新しい機能として予定されている。

京都府福知山市毛原におけるOSMの制作とQGISを利用した活用

京都府福知山市毛原におけるOSMの制作とQGISを利用した活用
杉原 穂紀 / 幅 彩水 | 立命館大学 理工学部 専門ゼミナール(TA)

毛原の魅力を伝える地図を作ろうと考えた。航空写真 + 現地調査 + ヒアリング調査で作成。獣害対策用フェンスがどこにあるかを調査した。QGISを使い2D上で表現。フォトロゲイニングを開催予定。

行政の航空写真をOSM背景として利用する

行政の航空写真をOSM背景として利用する
八木 良人 | CodeForKusatsu&CodeForGiin

滋賀県草津市の航空写真の公開までのいきさつを紹介。最初は前例がない、あるいは個人情報の公開にあたるとして断られたが、根気よく客観的な説明を用意することで最後は公開してもらえることになった。

LibreOfficeとコンソール(awk)でのマッピング

LibreOfficeとコンソール(awk)でのマッピング
丸市 展之

LibreOffice(calc)やawkを使って、曲線や平行線を描く様々なテクニックを紹介。

紙地図 VS オープンストリートマップ

紙地図 VS オープンストリートマップ
辻 信⼀ | 神⼾地図研究会
古橋 大地 | 青山学院大学 地球社会共生学部
大塚 佐緒里 | 草津おみやげラボ
八木 良人 | CodeForKusatsu&CodeForGiin
筒井 大介 | ファンローカル

紙地図とデジタル地図の長所や短所、困ったことや自慢話が各パネラーより紹介されました。

参加したメンバーの感想

石原

OSMに関するイベントは初参加だったため、OSMまわりの様々な活動、取り組みを知ることができてとても有意義だった。「紙地図 VS オープンストリートマップ」のパネルディスカッションの中で、古橋氏が「古地図からは当時の風俗を伺い知れることが多いが、現代の地図にはそれがない。ただしOSMの場合は、履歴をたどると誰がその情報を登録したことがわかり、人の存在がその背後にいることを感じることができる」とコメントしていたのが印象的で、これまで自分が関わってきたオープンソースの活動や、CoderDojoの活動と通じるものがあると感じました。

大橋

State of the Map Japan 初参加でした。「Mapboxでの日本地図対応」のセッションで矢澤さんがおっしゃっていた 日本地図への対応の工夫については、共感する箇所が多く、「行政の航空写真をOSM背景として利用する」セッションも、そもそも自治体の持っているデータをどの様な手続きで公開してもらうかなど、とても勉強になりました。

まとめ

登壇者の皆様、そして開催スタッフの皆様、有意義なイベントをありがとうございました!



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